南極の色は?
「白!」
と答える人が圧倒的に多いだろう。確かに、「白い大陸」に間違いはない。氷床に覆われた大陸の上にいれば、天気の良い日は青と白のツートンカラー。まばゆくてサングラスなしにはいられない。お肌ももちろん紫外線対策をしないとあっという間に日焼けで大変なことに。しかし、天気が崩れてくれば空も大地も白一色に、もちろんそれは暗くなって灰色と言ったほうがよい世界。こんな日がずっと続けば、寒さも増すし、気も滅入ってくる。
しかし、南極の夏の沿岸部は、雪解けで岩石や土の部分が生まれる。茶系が加わって大陸内部とは表情が異なる。部分的には苔や地衣類・藻類が見られ、黒・緑色・黄色などが加わり、ぐっとにぎやかになる。何だかうれしい、ほっとする風景に出会えた気がする。
それに、天気さえよければ、夕暮れや夜が始まろうとする頃には、またまた違った世界が生まれる。白夜が終わろうとする頃、傾いた太陽のすることは、驚くべきショーなのだ。午前2時の桃色の世界。全てを忘れられる瞬間であった。高い山から海を眺めると、海氷の様々な形に、斜めに差し込む陽の光がやわらかな暖色系の光を作り、その影は紫となって長く長く横たわる。そして、私はそれを眺めながらいつも、サン・テクジュペリの砂漠の風景をなぜか思い起こしてしまうのだった。

こんなふうに、南極の色は夏の太陽のせいで、一色ではないのだが、それでも帰国途中のオーストラリアで緑や花々に囲まれて「生」の美しさを再確認した。





さらに帰国して日本の多彩性に圧倒された。季節は桜のころを迎え、ただでさえ美しい世の中であったが、訪れた高知のお城祭りで日本人の美意識を浴びた。この土地に生まれ育って良かったと心の奥底でほっとしている自分を見つけた。






東日本では震災のために、かつての見慣れた風景がそこにないさびしい場所も多い中、残された桜は、忘れずに春を告げ、弘前の桜祭りには多くの人々が訪れたと聞いた。
かつて、原爆の落とされた広島でも、爆心地近くの大木の幹から新芽が出ているのを見た人が、生きる力を得たという。人々の心の癒しはこんなところにあるのだ。























by take48
皇帝ペンギン賞